アロマンティック・アセクシャルとは
「アロマンティック・アセクシャル」という言葉を聞いたことありますか?「アロマンティック・アセクシャル」とはセクシャルマイノリティの1つです。
私はアロマンティック・アセクシャルと自認しています。
「自分を変えてくれるステキな人に出会ってないだけだよ!」
「本当の恋愛を経験していないんだよ!」
「恋愛感情や性的感情がないなんて人生損しているよ!」
このように言われて違和感や不快感を感じていませんか?
「みんなと同じように恋愛をしたいのにできない…」
「そもそも恋愛に興味・関心がないのに…」
「お付き合いを始めたが相手を傷つけてしまった…」というような悩みを抱えていませんか?
なかなか理解してくれる人は少なく、自分は人間として足りない部分があるのか…と思ったり落ち込んだりしますよね?
大丈夫です!ステキな人に出会ってない、本当の恋愛を経験していないかもしれないけど、
無理に理解しようとしたり、我慢したり悩む必要はないのです。
ここでは、アロマンティック・アセクシャルというセクシャリティについて知ることができます。
こんな風に感じる人、こんな風に思う人もいるんだ!と参考にしてください。
アセクシャルとは?
アセクシャルとは「他者に対して性的欲求を抱かないこと」と言われています。
「付き合っている人がいる/いない」「性欲がある/ない」「性嫌悪がある/ない」「性行為ができる/できない」などは関係ありません。「性自認」も関係ないので人によってとらえ方は違いますし、正解もありません。
他者に対する性的欲求とは?
他者に対する性的欲求とは「人に対する性的欲求」のことです。
普通の人は、恋愛感情とともに性的欲求も抱くので、「アセクシャルは恋愛感情がわからない人」「恋愛ができない人」などと言われますが、少し違います。「恋愛や恋愛感情がわからない人は「アロマンティック」という恋愛の指向になります。
アセクシャルは性的指向なので「性愛がわからない」ということを意味します。
「フィギュアには性的欲求を抱く」「想像の中では他者に性的欲求を抱く」「物や動物に性的欲求を抱く」という性欲がある人もいます。2次元で性的欲求を抱いたとしても、3次元で人に対しては性的欲求を抱くことがありません。
「恋愛感情を抱くこと」と「他者に性的欲求を抱くこと」は似ていますが意味が異なるのです。
日本と外国でのアセクシャルの意味の違いについて
日本と外国とでは「アセクシャル」の意味が異なります。
外国では「他者に対して性的欲求を抱かないこと」と言われています。
日本では2パターンに分かれています。
「他者に対して性的欲求を抱かないこと」と「他者に対して恋愛的感情を抱かない・性的欲求を抱かないこと」と言われています。
外国では「他者に対しての性的指向」のみに焦点があてられていますが、日本では「恋愛的指向」も含まれる言葉になっています。
日本では「アセクシャル」の意味が2パターンあるのですが、恋愛的指向についてはっきりさせるための「ノンセクシャル」というセクシャリティ用語が生まれました。
アセクシャルとノンセクシャルの違いは?
アセクシャルとノンセクシャルの違いは他者に対して「恋愛的指向を抱く/抱かない」の違いです。
アセクシャルは「他者に対して恋愛的感情を抱かない・性的欲求を抱かない人」とされ
ノンセクシャルは「他者に対して恋愛的感情を抱く・性的欲求を抱かない人」とされています。
細かく分けると、ロマンティック(恋愛感情)とセクシャル(性的欲求)の部分を分けると以下のようになります。
「ア」が付くと「ない」を表す言葉になります。
日本では、
アロマンティック・アセクシャル=アセクシャル
ロマンティック・アセクシャル=ノンセクシャル と呼んでいます。
私が参加したオンラインの「アセク・ノンセク交流会」では、ロマンティック(恋愛感情)とセクシャル(性的欲求)の部分を分けて自己紹介しました!
アセクシャルあるある
アセクシャルの人なら共感できる「あるある」をまとめてみました。
- 好きな人ができない、または恋愛感情が分からない
- 恋バナに共感できない、または理解できない
- 付き合ったが恋人を傷つけてしまった
- 恋人と手をつないだりキスなど身体的接触が苦手
- 恋愛系のドラマ・マンガ・映画など理解できない、または空想の世界だと思う
- 異性との距離感が分からなくて勘違いされる
「まだ出会ってないだけだよ」「そのうちステキな人に出会えるよ」と会う人みんなに言われると思います。しかし、恋愛感情や性的欲求を抱かない人がいるとは思ってもいませんし、信じてもくれません。恋人ができても価値観が違いすぎて、すれ違うどころか相手を傷つけてしまったと落ちこむ人もいます。なかには、相手の望むことに応えられなくて申し訳ないから別れた。なんて人もいます。
アセクシャルがよく誤解されること
アセクシャルの人がよく誤解されることをまとめてみました。
- 本当は独身主義なのではないか
- 本当は同性愛者なのではないか
- 禁欲主義・性欲が低い・性的な機能不全なのではないか
- 性的虐待などトラウマがあるのではないか
- 人生経験を積めば、いつか人間は変わる。変えてくれる人が現れる
- 恋愛感情や性的欲求がない=愛情がないと思われる
「いつか自分も普通の恋愛ができるのではないか」と思っているけど一向に変わらない、「恋人をつくらないということは一人が好きなのか」と思われる。「恋人から求められるものに違和感を感じる」、友達に相談したらアドバイスの言葉が心にチクチク刺さる…と理解に苦しんだり、悩まされることがあると思います。
まとめ
アセクシャルとは
外国では「他者に対して性的欲求を抱かないこと」とされています。
日本では2つに分かれています。
「他者に対して恋愛的感情を抱かない・性的欲求を抱かない人」
アロマンティック・アセクシャル=アセクシャル
「他者に対して恋愛的感情を抱く・性的欲求を抱かない人」
ロマンティック・アセクシャル=ノンセクシャル
とされています。
セクシャリティは他者が見て分かるものではありませんし、他者が決めることでもありません。
「セクシャリティは流動的なもの」と言われ、ずっと同じということでもないようです。アセクシャルと自認していたけど、ノンセクシャルだったかも…?って思う出来事があるかもしれません。セクシャリティは日々変わっていくものです。
ただ、みんなと違うから自分がおかしいと責めたり、普通の恋愛ができないと深く悩む必要はないのです。
人にはそれぞれ個性があるように、セクシャリティに対しても個性があって良いのではないでしょうか。みんなと異なる部分があっても何も問題なく生活していけます。恋愛感情や性的欲求がなくても全ての人に対して愛情を持っていますから自分らしい毎日を送って生きましょう。